地域に根差したクリニック。
安心の在宅医療と終末期医療。

当院は1990年の開設以来、最期まで住み慣れた地域で暮らし続けることができるような地域医療を目指し、外来診療のほか在宅医療に力を入れてきました。当法人には訪問看護ステーションもあり、密接な連携で訪問看護と訪問リハビリも行っています。終末期医療として、がん患者さんや、がん以外の疾患の患者さんが苦痛のない安らかな最期を過ごせる緩和ケアを、在宅でも入院でもできる体制を整えています。

認知症の方向けには、共同生活を送るための施設であるグループホームを当院近くに開設しております。医療と介護の連携により、人生の最後までその人らしく輝いて生きていけるようサポートしています。

病院と診療所の違い

診療所と病院の大きな違いは患者さんが使うベッドの数です。ベッドのことを病床と呼びます。病床が20床未満であれば診療所、20床以上であれば病院になります。診療所の多くは 病床を持たない診療所です。診療所をクリニックと呼ぶこともあります。当院は19床の有床診療所です。

医療と介護のつなぎ役

有床診療所には、病院からの早期退院患者さんの在宅・介護施設への受け渡しとしての機能があります。「病院から早期退院を進められたが、在宅での療養や介護は困難。介護施設への入居も難しい。」そんなときは当院へご相談ください。一人暮らしの高齢者や親族が近くにいない方の、在宅・介護施設へ移るまでの受け皿になります。

機能強化型在宅療養支援診療所

在宅医療を行う医療機関で、24時間365日体制で医師や看護師と連絡が取れるなど、一定の基準を満たした診療所を「在宅療養支援診療所」といいます。さらに充実した診療体制基準をクリアした医療機関が「機能強化型在宅療養支援診療所」です。当院は連携型の機能強化型在宅療養支援診療所です。

かかりつけ医として

かかりつけ医とは、「健康に関することをなんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師。」のことです。症状に応じ必要な場合には、適切な医療機関の紹介を行います。逆に地域の病院からの早期退院患者の受け渡しなど、病院と在宅の隙間を埋める切れ目のない医療を提供しています。

訪問診療とは

訪問診療とは、通院が困難と医師が判断した患者さん宅へ定期的に伺い診療する方法です。在宅医療により通院の負担が減り、自宅で自由に過ごせるメリットがあります。

訪問診療と往診の違い

訪問診療は、患者さんのお宅に計画的・定期的に訪問することです。「計画的・定期的」ですから、予約が必要です。
往診は、何らかの突発的な病状の変化が表れた患者さんの要請によりお宅へ伺う診療を指します。

訪問診療の対象となる患者さん

訪問診療は原則、病気などにより通院が困難な方が対象です。

・脳卒中の後遺症や難病で体が不自由な方
・慢性の呼吸器疾患などで在宅酸素療養を受けている方
・老化や認知症で通院が困難な方
・がん末期に自宅での在宅緩和ケアを希望される方
・その他、何らかの理由で医師が在宅診療の対象と判断した方

訪問診療料について

訪問診療や往診は医療行為ですので、原則、医療保険の適用となります。訪問診療でも「居宅療養管理指導」に関しては介護保険の適用になります。患者さんによって保険の自己負担割合などが異なりますので、詳細は当院までお問い合わせください。

レスパイト入院について

レスパイトは英単語で「休息」や「息抜き」、「小休止」といった意味です。
在宅での生活を続けるためには、介護者であるご家族に休息を取ってもらうことも大切です。レスパイト入院はそのための支援の一つです。治療や検査目的ではなく、病状は安定しているものの在宅で医療機器などを使用している方、何らかの医療的処置を要する方など、常時の介助を必要とする方が対象となります。

緩和ケアとは

生命を脅かす病になると体や治療のことだけではなく、仕事のことや将来への不安など様々な問題もでてきます。緩和ケアは、そういった患者さんの心と体のつらさを少しでも和らげ、その人らしく日々を過ごせるようチームでサポートするケアです。

終末期とは

「生命予後の危機」を終末期状態と捉えると、末期がん患者さんでは終末期は通常1~6箇月と考えます。
高齢者の終末期については、日本老年医学会では「病状が不可逆的かつ進行性で、その時代に可能な限りの治療によっても病状の好転や進行の阻止が期待できなくなり、近い将来の死が不可避となった状態」と定義しています。あとどの位の命なのかの予測は困難ですので、終末期の定義には具体的な期間の規定は設けられておりませんが、人生の最終段階と考えます。
"死の迎え方"を考えて欲しい。
優しくて心のこもった最期とは。

医療技術の進歩により命は不滅のように扱われ、過度の延命医療が行われる場合もあります。現状でも「退院後に療養できる場所がない」「自宅で介護してくれる人がいない」「想像していた延命治療とは違った」といった方は多く、こうした医療に関する問題は今後ますます増えていくと予想されます。今一度、一人ひとりに家族や自身の「死の迎え方」を考えて欲しいと願います。